吸いたい90秒を、やり過ごすためのアプリ。
会社が、禁煙を決めた。
あなたの体は、聞いていない。
禁煙外来は薬をくれます。カウンセラーは話を聞いてくれます。 でも21時、ベランダに出たくなるあの瞬間、そこにいるのは自分ひとりです。
このアプリは、その90秒だけのために作りました。
「禁煙12日目」は、1本吸った瞬間にゼロに戻ります。 そして、たいていの人は二度とそのアプリを開きません。
数えるのは、吸いたくなった回数と、見送った回数。 吸ってしまっても記録は消えません。それも1件として並ぶだけです。
タバコを吸うとき、人は必ず深く吸って、長く吐いています。 1日20本なら、それは1日20回の深呼吸でもあります。
禁煙でなくなるのは、ニコチンだけではありません。 その20回も、同時になくなります。 「吸いたい」の何割かは、たぶんそれです。
吐くほうを長くしてあるのは、そのほうが体が静まるからです。 吸うときに上がった脈は、吐きながら下がっていきます。
そして衝動には、形があります。上がって、頂点を越えて、下がる。 押さえ込むのではなく、頂点を越えるまで別のことをしていればいい。 その別のことが、呼吸です。
吸いたくなったら押す。90秒、円の膨らみに合わせて呼吸する。 終わったら「見送った」か「吸った」を選ぶ。 どちらを選んでも、言われることは同じです。
21時台が多い。金曜の夜が多い。 自分でも気づいていなかった癖が、色になって出てきます。
役職が上がるほど、我慢するものは増えていきます。 部下の前で怒鳴らない。ストレスを甘いもので流さない。給料日にカートを空にしない。
どれも同じ90秒です。順番に作っていきます。